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低地 読んだ。

低地

ジュンパ・ラヒリ著  小川高義 訳

インド人女流作家ジュンパ・ラヒリ氏はアメリカで育った
インド移民2世で、彼女の作品はインド文学というよりは
アメリカの文学と捉えるほうが適切かも知れません。

しかし、これまでの作品を読むと、どうしても彼女が他の
インド人作家を意識しているなと感じることが、たびたび
あります。(例えば「その名にちなんで」の設定がノーベル
賞作家ナイポール氏の某作品を思わせる等)

今回の作品は、ブッカー受賞インド人女流作家のキラン・
デサイ氏やアルンダティ・ロイ氏の作品に相当インスパイア
されたなというのが私の第一印象でした。

しかし、読み進めて行くうちにそのような考えは消し飛び
最後の100ページ程は、作品の世界に魂ごと没入して
しまう感覚を味わいました。

初めは美しい映画を眺めているような軽い気持ちで、でも
気が付くと私の様な感受性が摩耗して涙腺が枯れたオッサン
でも、ちょっと泣きそうになりました。

この作品は「大切なのは革命であって個人個人の命は問題
ではない」というチェ・ゲバラ氏の言葉に対する強烈な激烈な
アンチテーゼとなっています。

いや~素晴らしかった。 拍手。








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崩れる壁 読んだ。

崩れる壁

ウペンドラナート・アシュク 著    三木雄一郎 訳

著者のウペンドラナート氏は1910年にパンジャブ州でバラモン
の家庭に生まれ、文学、ラジオ放送、映画製作など多彩な方面
で活躍され1996年に亡くなられています。

長編小説「崩れる壁」はヒンディー・リアリズム小説の最高傑作
と言われるだけあって、450ページを一気に読ませる魅力が
あります。

タイトルから察して、政治的な内容で悲惨な場面とかを覚悟して
読んだのですが、そういった悲惨な描写が一切ない珍しいインド
文学でした。

内容的には、物語に大した起伏もなく、主人公の青年の葛藤
恋愛、意に沿わない結婚、家族との関係など、著者を投影させた
と思われるバラモン階級の若者の日常が描かれています。

そして、主人公は徐々に社会、階級、人間関係の「壁」を意識し
始めます。このような「壁」は京都にもかなりの厚みで存在しそう
ですが、インドの「壁」はその比ではないでしょう。

若者の青臭さ、高揚感、自意識、辛抱のなさ、愚かさがよく描かれ
ていて良質の文学作品でした。

僕と1ルピーの神様 読んだ。

僕と1ルピーの神様

ヴィカス・スワラップ 著    子安亜弥 訳

この本は映画化されていて「スラムドッグ・ミリオネア」
という題名で良く知られた作品です。

作者のヴィカス・スワラップ氏は数年前にインド領事として
神戸に滞在されていて、インド関係のイベントで時々見かける
ことがあったのですが、私は「スラムの住人をスラムドック呼ば
わりするとは、けしからん奴だ!」と勝手に憤っていました。

しかし、スラムドッグ呼ばわりしてたのは映画の人たちだった
ようです。勝手に憤って、ごめんなさい。

本の内容は映画よりも面白かったものの、小説の技巧的には
まだまだ未熟で、素人くさい点が多々あります。でも、話の展開
とアイデアが面白かったので単純に楽しめました。

スラムの少年がクイズ番組で億万長者になる嘘みたいな話ですが
(フィクションだけど…)人生なにが起こるか分からないというのは
真実であるなあ、と近頃しみじみ感じています。









タマス 読んだ。

タマス
ビーシュム・サーへニー 著    田中敏雄 訳

今年の夏に始めた神社の清掃管理の仕事が思いのほか
忙しく、また音楽の仕事も細々と、しかし途切れなくあって
読書する時間がなかなか取れず読書量が激減しています。

夏の古書市で購入したインド文学の名作「タマス」がずっと
部屋に置いてあって、しかし新年に読むにはタイトルが不吉
(タマス 暗黒)なので、年内に読んでしまおうと「エイヤッ」と
気合いを入れて読み始めました。

舞台は1947年インド・パキスタン分離独立の数ヶ月前、パンジャブ
州で起きた暴動の前後の5日間が描かれています。

ヒンドゥー ムスリム シーク教のそれぞれの立場の視点で一つの
事件が描かれていて、誰も争いを望んでないのに不信感と恐怖に
駆られて人々が愚行に走る様子がリアルに描かれています。

これは著者が実際に見たり感じたりした、この時代の空気なの
でしょう。その後1947年8月には印・パ分離にともなう暴動、大虐殺
が起こったのですが、著者の心の傷が深すぎるのか8月の事件には
一切触れず、不穏な空気感だけを残して物語は終わります。

本当に良く出来た小説です。
今年読んだ中では間違いなく1番でした!
 

ジョルシャゴル 読んだ。

ジョルシャゴル

タラションコル・ボンドバッタエ著  丹羽京子訳

タゴール以降のベンガル文学を代表する作家
タラションコル氏の短編集。

表題作の「ジョルシャゴル」はサタジット・レイ監督
によって映画化されています。

作品はどれも盛者必衰的な世の無常感が漂って
います。

ジョルシャゴルとは音楽堂のことで、富豪ラエ家で
催される舞踊や演奏会の描写があるのですが、先日
誓願寺でディーパク・マハラジのカタック舞踊公演を
手伝った折に、この小説を思い出しました。

それにしても、先週は一流の舞踊家をまじかに見たり
ラジオに出演させてもらったり、法然院の本堂で演奏
させてもらったりと貴重な体験が山盛りの一週間でした。

有難いことです。

Jalsaghar1 ←YouTubeへ
jalsaghar



Jalsaghar2 ←YouTubeへ
jalsaghar2








プロフィール

ゴパール

Author:ゴパール
池田 剛 
関西を中心に活動している、
バーンスリー奏者です。
 
HP

イベントのお知らせ

●滋賀

RAGA
2017年日印友好流年記念事業
北インド古典音楽

■日時 2017年9月16日(土)
■開場 13時30分 
■開演 14時00分

■会場 大津市伝統芸能会館 能楽ホールHP

(京阪電鉄石坂線「別所」下車徒歩五分 
京阪電鉄石坂線「三井寺」下車徒歩十分 
JR「大津京」下車徒歩20分)


■料金(全席自由) 
前売り 2,300円
当日 2,800円
友の会前売り 2,100円

■出演
池田剛(バーンスリー)
石濱匡雄(シタール)
上坂朋也(タブラ)

■チケット販売
大津市伝統芸能会館
 TEL 077-527-5236
大津市民会館
 TEL 077-525-1234
堅田駅前観光案内所
 TEL 077-573-1000

■主催 大津市伝統芸能会館
■指定管理者 大津PAC&KLPグループ
(株)ピーエーシーウエスト
■協賛 エアインディア 
■後援 在大阪・神戸インド総領事館
■制作協力 KHAZANA.JP

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